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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(78)

阿羅漢―あらかん―

五比丘は仏陀の指導のもと
修行を積み研鑽を重ねて
阿羅漢に向かう境地を得た

仏陀は阿羅漢の境地を五比丘に説き
その境地を維持することの難しさを語った

あなた方は 初めに「見道(けんどう)の聖者」としての悟りを得た
それは教えを聞いて理解したということだ
これを預流(よる)という
教えの流れに入り 教えを聞き
それを理解しようと努力する段階である

二番目に「修道(しゅうどう)の聖者」としての悟りを得た
それには一来(いちらい)という段階と
不還(ふげん)という段階がある

一来はこの世の世界にもう一度生まれかわり
同じように修行を積めば悟れる人となるということである

不還とはさらに修行が進み
そうたやすく退転することのない境地といえる
ゆえに死んで後 精神性の高い世界に生まれよう
そして次にこの世に生まれるときには
大きな使命を持ち
己の意志によってこの世に還(かえ)ってくるのだ

そしてさらに進んだ境地が阿羅漢である
阿羅漢は真に悟れる強い自己を持つ
しかしこれを何年も維持していくことは
極めて難しいことだ
よく己を律し日々精進努力を怠ってはならない

やがてこの世の五官に惑わされることなく
心が常に清浄で穏やかで
天の神々の声を聞き取り
他人の心を読み取る力を得ることであろう

これが阿羅漢の境地なのだ