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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(91)

燃える火の説法

カサッパ三兄弟が仏陀に帰依し
仏教教団は千人を超える教団になった
これは多くの人に
仏陀の存在を知らしめることになった

カサッパ三兄弟はもともと
火に仕え火を拝んで理想に到達すると考えていた
そこで仏陀は象頭山(ぞうずせん)で
新しく弟子になった者たちに
夕方の町々に火が灯っているのを見て語った

火が燃えている すべてのものが燃えている
あの町の火のように・・・
私たちの心のうちにある
煩悩の火が燃え盛ってやまない

心の内に燃える貪欲の火を見よ
貪欲の火に心を焼かれた人びとは
苦しみの日々を送って休むことがない

心の内に燃える怒りの火を見よ
怒りの火に心を焼かれた人びとは
心波立ち安らぎの時がない

心の内に燃える愚痴の火を見よ
愚痴の火に心を焼かれた人びとは
不平不満の思いで心が苛立ち静まることがない

その火を消せ
火を尊んではいけない
火はあなたがたの心に燃え盛っている煩悩であって
悟りの縁(よすが)ではない

苦悩の原因は
この燃え盛る煩悩の火にある
一切の束縛を離れ理想の境地に達するために
その火を吹き消すのだ
心に燃え盛る煩悩の火を消すのだ

その火を吹き消すことで
大いなる安らぎと清浄の境地を得られるだろう

これからは私に従って
正しい教えに基づいて修行を完成させなさい