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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(98)

前世からの友

サーリープッタ(舎利仏・しゃりほつ)には
モッガッラーナ(目連・もくれん)という親友がいた
2人はサンジャヤという懐疑論者の弟子であった

前世があるかないかは
人がそれを信じるか信じないかによるという
曖昧な考え方ほど
無責任な物の考え方はない
仏陀は明らかに前世を語り
その生まれ変わりの意味を説いた

自らの前世の生涯を知るとともに
他の人の前世も見た
天上と地獄を見
この肉体の世は仮の世であって
ゆえに肉体に執着することなく
心を磨けと説いた

数千人のなかでも最高に優れた弟子であった
サーリープッタ(舎利仏)とモッガラーナ(目連)は
遠い遠い過去世の時
当時の仏陀のもとで発心し
それ以来幾たびかの生涯をともに生まれ
そのたびに友として修行し続けてきたことを
仏陀に明かされた

今回も彼ら二人は同じ日に生まれた
仏陀とは同じくらいの年令である
異なった村に生まれてもやがて二人は出会い
心が欲するものを ともに見抜き
仏陀と出会い
亡くなる時には仏陀に先立って亡くなっていく

当時でさえ
釈尊が仏陀であることを
認めない人びとが数多くいた

そのなかで仏陀の弟子である
アッサジの言葉を一言聞くだけで
その師が仏陀であると悟った
上根(じょうこん)の魂の持ち主といえる

前世という幾多の荒波のなかで
悟りを深めてきた証しであろう