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お釈迦様の生涯

デーヴダッタの反逆(その3)

イラスト・山中一正

デーヴダッタは親しかった
4人の比丘をそそのかして同志となり
仏陀に五つの要求をして教団を混乱させようとした

5カ条の要求
1.比丘は人里離れたところに住むこと
2.托鉢のみで生活すること
3.糞掃衣(ふんぞうえ・拾い集めた布でつくった衣)のみを着けること
4.木の下のみで坐禅瞑想をして暮らし、屋内に入らぬこと
5.肉を食べないこと

仏陀の教団は非常に緩やかで
それぞれの意志に任されていた
それぞれの体調も悟りの段階も違うゆえに
各自の体質に応じて衣食住を決めていた
また時代の流れを生かし進化してく教団でもあった

5つ目の要求に「肉を食べないこと」があるが
当時は肉を食べてもよいことになっていた
托鉢でいただいた食べ物の中には
一般の人が食べる肉も入っていたからだ
修行僧はその肉をありがたくいただいた

ただしその肉が自分のために殺されたのを
見たり聞いたり そんな疑いのある場合は
その肉の布施は受けてはいけないと定められていた

仏陀の目指すものは
教えによって心を統御し悟りを得ることが
中心に据えられていたといえる

デーヴダッタの言うことを真に受けた未熟な比丘たちは
教団を分かってデーヴダッタについていった
仏陀の高弟であるサーリプッタとモッガラーナが後を追い
離れていった者たちに考えの過ちを諭し
それを理解した比丘たちは仏陀のものに帰っていった

それを知ったデーヴダッタは失望して血を吐いた
その後9カ月もの間 病の床に臥し死んだ
死後
彼は地獄に堕ちたという