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法華経の詩

法華経の詩(40)

信解品 第四(6)

世尊なる仏に
仏弟子たちは続けて語った

仏よ
今まで話は 長者窮子(ちょじゃぐうじ)の
譬(たと)えであって
長者が世尊なる仏で
窮子なる貧乏な男が 私たち弟子であるのです

わたくしたちは常に三種の苦悩に悩まされています
それは 苦苦(くく)と 壊苦(えく)
そして行苦(ぎょうく)の苦悩です

一つ目の苦苦は 苦しみの中の苦で
そのもの自体が苦なのです
暑さ寒さに生活苦を感じる そんな苦です

二つ目が 壊苦で壊(こわ)れる苦しみです
いままで家庭が幸せであったのに
何かのきっかけで幸せが壊れしまう苦です

三つ目が 行苦で行いの苦しみです
これは移ろいゆく苦しみで
若かった人もやがて老いの苦しみを感じていく
そんな苦です

この三種の苦悩に悩まされ 生まれ変わるさいに
一層よい境遇に生まれたいという
意志をもたないのです

この汚物にも似た
多くの苦に満ちた生活での苦しみを除くため
毎日仕事をして 賃金を求めるように
「さとり」を求めて
長者である如来のもとで勤め励んでいるのです

仏は私たちの悟りの低さを知り
根気よく待たれ あえて近づかずに修行させ
やがて豊かな財産である「如来の智慧の蔵」は
汝らが相続する者とされました
わたしたちが 仏の子であり
仏の持つ偉大な智慧を与えられたのです