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法華経の詩

法華経の詩(53)

薬草喩品 第五(12)

世尊なる仏は さらに続けて説く
あなたがた弟子たちが
何人(なにびと)をも受け入れるための
あるいは
人びとを仏の道に誘い入れる
行うべき四種の行為を語ろう
これは四摂事(ししょうじ)というが
人びとが生きていくときに必要とされる
四つの徳ともいえる

一つは「布施」である
あなた方はもちろん
教え 法を布施することだ
これが一番尊い布施で
一般の人びとは 財を施すこと

二つ目は「愛語」である
人びとに教えを伝えるためには
慈しみのある言葉で伝えることだ
日々の生活の中でも
優しい言葉 相手を慈しむ言葉
そんな言葉が
家庭や社会の幸せを作っていくのだ

三つ目は「利行」(りぎょう)である
相手に教えを伝えて
利益を得てもらうことだ
幸せになってもらえるよう
心を尽くさなくてはならない
日々の暮らしの中でも
相手の幸せを願って生きることが大切だ

四つ目は「同事」(どうじ)である
これは相手と同じ立場に身をおくことだ
形を変えて人びとの中に近づき
同じ仕事にいそしみながら
教えを伝え幸せになってもらうのだ
人びとの日々の暮らしの中でもいえる
相手の立場にたって
物事を考えてあげること
みな顔や姿は違えども 仏となれる
尊い心を持っているのだから・・・