みにミニ法話
(91)唯一、尊いもの
この世には尊いと思われるものがたくさんあります。
健康は、その一つです。病気になれば、健康がどれほど大切なものか分かります。
お金も尊いものの一つでしょう。大きな災害にあった所では、多くの犠牲を出します。地震にしろ水害にしろ、最近はそんな災害が多く見受けられます。 そんなとき、善意の義援金によって、多くの人が救われます。
家族も尊い仲間です。母がいて父がいる。子がいて、孫がいる。できるならば、一人孤独なことよりも、心を打ち明けられ、助け合え家族がいたほうが幸せでしょう。
さらに尊いといえるものは、見えないものを見る力が私たちの心の内にあるということです。そして、その目に見えないものを、大切にできる力も持っているということです。 このことに気づいている人は少ないかもしれません。
目に見えないものとは、人を大切にできる思い、優しさや愛、慈しみの心、あるいは見えない世界にいます仏とか神といわれる存在です。それらのものを感じ、それを大切にしながら生きていくことができる。 これは私たちにとって、何ものにも変えられない尊いものです。
相手を大切にできる思いがあるから、病気になっても支えあうことができる。優しさを尊いものであると感じ取る心があるから、災害にあった人たちに善意のお金を送ることができる。 愛深い思いで生きていくことが大切であると思えるから、家族のみんなのために働くことができる。
この目に見えないものの価値を、静かに感じてみましょう。
人間とはこの目に見えない事ごとを信じ、感じ取り、それを大切にできるからこそ、尊い存在なのです。
また、目に見えない世界をよく見つめることのできる人が、心の広い世界を持ち、心をさらに豊かにしていくことができるのです。
そして、そのような人が幸せをまわりの人びとに与え続けていける人であると思うのです。