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みにミニ法話

(113)「心の波長」

世の中には悲しい出来事がたくさんあります。その一つに愛する人との別れがあります。

春になるとさまざまな花が咲きます。お寺の庭の片隅にスミレの花が咲いて、春の陽を受けながら微笑んでいます。そのスミレの花も群がって咲いているところもあります。仲間が誰であるかを知っているように、咲いているのです。

ここには、ある深い真理があります。類は類を呼ぶという真理です。言い方を変えれば、同じ考えを持った人は互いを引きつけ合い、交わるということです。人ばかりでなく、物や出来事まで同じように引き付けるのです。

私たちはみな個性を持っていて、またそれぞれ違った考え方を持っています。それらの思いや考えを一つの波にたとえると、その波が合えば、仲良しになれるし、合わなければ見向きもしないかもしれません。

ラジオの電波も一つの波長で考えられますが、ある波長にあった局にスイッチを合わせれば、その局の放送を受信し、聞くことができます。

ここには生きていく中で大切なことが隠されています。それは心の内に善い思いを持っていれば、善いものを引きつけ、悪い思いを持っていれば、悪いものを引きつけるということです。

私は貧乏だと思っていれば、貧乏な人やものを引きつけてきます。お金には困らないと思っていれば、そのような人やものを引きつけるのです。失敗する失敗するといつも思っていれば、失敗します。風邪をひく風邪をひくといつも思っていれば、風邪をひくのです。

心の問題としては、いつも心のなかを神仏の思いで満たしていると、神仏の存在が交わってきてくださいます。

神仏の思いは、優しさであったり愛深い思い、思いやり、勤勉努力などがあげられましょう。そう生きている人には、神仏ばかりでなく、優しい人や思いやりある人、あるいはそんな出来事が集まってきて、互いに助けたり、助けられたりして、幸せな日々を築いていくことができるのです。

今自分の心がどのような波長を出しているのかをよく知り、いつも穏やかで積極的な思いでいられるよう努力する必要があります。