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みにミニ法話

(134)「心を調える」

今月は心について考えてみます。

心のひとつの特徴は、何でも自由に考えられるということです。

その自由に考えている心の中味は誰にも分かりませんが、ずっと考えていると、
やがて振る舞いや仕草、表情に現れてくるという法則のようなものがあります。

まずここをおさえておくことが大事です。

さて、何でも自由に考えられるというのは、非常にすぐれている力です。

その力を善いことに使っていけば、人はみな幸せになっていけます。
しかし、悪いほうに使っていくと、世の中が荒れすさんでいくもの否めません。

方位をはかる磁石は、どこへ向けても北を指します。
北をさすまでは左右に大きく揺れますが、いったん北を指し示すと、
その場に落ち着いてあまり乱れません。

私たちの心はどうでしょう。

磁石が北を指すのを、心がいつも正しい考えを持っているとすると、
左右に大きく揺れている状態は、つまらないことを考えたり、不平に思ったり、
怒りを抱いては相手を怨んだりそしったり、あるいは感謝ができなかったりする
心の状態をいいます。

これも心の自由な思いですが、
磁石がちゃんと北を指していないと、正しい方向に進めないように、
心も、心の赴くままに行動していると、決して幸せにはなれません。

最近、自殺とか殺人の報道をよく耳にしますが、
これらも心が大きく揺れて動き、正しい判断ができない状態でいるからです。

他人の言った言葉に心が乱れ、他人の行為に不平を思って心が乱れ、
あるいは自分の至らなさに心が乱れ、病気になっては心が乱れる。

この心の乱れを静かにさせて、
何が正しい自分であるかを見据える自分をつくっていくことが必要です。

自由に赴く心を、この自分が主(あるじ)となって
コントロールしていける自分をつくっていくことが大事です。

ヤンキーズで活躍している松井がかつて、
ゴロ王などとマスコミでたたかれていたとき、
松井は「人の書く記事のことなどは僕のコントロールできることではない。
自分がコントロールできることを、しっかりやっていく。それが僕のスタンスです」
というようなことを言っていました。名言です。

このように自分の自由になる心を、
いつも正しい方向に向けていけるようコントロールしていける。
そんな自分をつくっていくことが大切です。