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みにミニ法話

(139)「敵は自分の内にある」

平成15年に第一生命保険が行った「サラリーマン川柳コンクール」のなかに、
「年収は ゴジラ松井の 一打席」とか
「ついに来た 俺も週休 七日制」といったものがありました。

これはあくまで川柳なので、面白おかしく今の世相を現しているのだと思いますが、
実際不況が続いているので、苦しい生活を強いられている人もいると思われます。

しかし、お金が無いという思いにとらわれて、
お金が無いから私は不幸だと沈んでしまったり、もっとほしいと思って
サラ金などに手を出したりするような愚かな自分に心を奪われてしまうと、
どんどん幸せから遠ざかっていきます。

考えてみれば、この世界の約60数億の人々のなかで、
1ドル、日本円に直せば約100円少しのお金で1日の生活をまかなっている人が
12億人もいます。

イラクのヘラートという町の近郊に住んでいるアレフ君は、
15才にして戦争で父を失い、それ以来1日40アフガニー、
日本円ではたった100円の日雇いの仕事で働き、
3才から11才の4人兄弟と母親の生活を支えているといいます。

それに比べれば、なんと豊かな1日を私たちはいただいていることでしょう。

私たちより苦しい生活を強いられている人は沢山いることを思えば、
今の現状を不幸であるとしているのは、自分の心の考え方からきているのです。

「自分を不幸にしているのは自分の内にある考え方だ」、と気づくことです。

いつだったか、ある小学校の校長先生3人が研修会にいって、
出席のチェックだけしてあとは十和田湖の観光をし、それが明るみにでて、
ヒラの教諭に降格させられたということがありました。

今まで苦労して得た校長という席を一瞬にして失った行為は、
他の誰のせいでもありません。

そのような甘い行動を取ってしまった本人の中にある考え方からきています。

自分を不幸にしていくものが、自分の心の内にあるのだということを、しっかり知り、
その自分の中にある敵を打ち砕いていく智慧(ちえ)と勇気を持たなくてはなりません。

自分が不幸であると思ったとき、自分の内に敵がいるとまず疑ってみることです。