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みにミニ法話

(178)「怠らない生き方」

怠らないというのは「なまけない」ということですが、
人間はなまけ心がつい出てしまうものです。

大変なことは避けて、簡単な道を選ぶのが常です。
簡単な仕事、あるいは短時間な仕事で、
たくさんお金をいただいたほうが良いと誰しもが思います。

努力しないでも、安心して暮らせれば、それにこしたことはないと、
大概の人は思うことでしょう。

しかし世間はそんなに甘くなく、
努力しなければ、生活の糧が得られないようになっています。

努力しなければ家庭の平和は維持できません。

夫婦仲でも、互いを理解するのには努力がいります。
子育ても、こんなに大変な仕事はありません。
介護の問題でも、年老いて動けなくなった人をお世話するのには、
たくさんのエネルギーが要ります。

また楽に死ねたらと思っていたら、病気になってしまって
最後まで苦しんで死ななければならないこともあるでしょう。

よく考えてみれば、私達の暮らしの中で、
なまけ心で自分の「幸せ」を得る方法はないといっていいでしょう。

すべてに努力が要り、怠らない生き方が必要なのです。
それを知っていて、日々暮らすことも、一つの悟りとえいます。

また努力すれば、それなりの成果、結果が得られることも確かなことです。

「ありがとう」が言えない人も、努力すれば必ずできるようになります。
その結果、人間関係が改善されたり、自分の心にも思いやりの心が育っていきます。

短気な人も、「気を長く、穏やかに」と思い努力していけば、
やがてイライラな気持ちが出なくなってきます。
その結果、冷静に物事を判断できるようになりましょう。

知恵の足りない人でも、
本を少しずつ読む努力を何年も積み重ねていけば、
必ず知恵深い人になっていきます。

それはやがて人格を高め、人の努力をも理解できる人間に育っていきます。
怠らない生き方が、強い自分を築き上げていくとともに、
相手の幸せをも、築いていけるような自分になっていけるのです。

努力の目標を掲げ、一つ一つの課題を、
焦ることなく、そして怠りなく実行していきましょう。

その努力の途上にあることが、すでに幸せの道を歩んでいることになるのです。