ホーム > 法愛 4月号 > みにミニ法話

みにミニ法話

(193)「省みる美しさ」

省(かえり)みるというのは、過ごしてきた日々を思い返し、
誤りがあれば修正し、頑張ったことがあれば、自分を褒めてあげることです。

誤りを修正すれば、その誤りは人生の教訓になっていきます。

もし失敗したことがあって、
いつまでもそのことを心に引っ掛け、引きずっていると、
いつまでも苦しい思いから抜け出せません。

もう一度、勇気をもって自分を省み、
その失敗から何かを学び、大切なことを得ようと思えば、
その失敗も価値あるものに変わっていきます。

そこにあるものは、
自分の人生を花咲かせる栄養素であったと気がつくのです。

頑張ったことがあれば、自分をほめ、心に余裕があれば、
その成功もさまざまな人の支えがあったと思うことです。

そうすることで、ありがたい思いが心に広がって、
感謝の思いが深くなっていきます。
それは人として美しい姿であると思います。

さらに尊い考え方を述べれば、
この一年、過ごせたことを神仏に感謝することです。

神仏は見えない存在で、感謝しても、しなくても、
自分にとっては何の変化もないかもしれませんが、
そこには大きな違いが出てくるのです。

自分を常に守ってくださる方がいる、と思って暮らしていることが、
どれほど、心に安らぎを与えてくれるか分かりません。

そのことが分からず、あるいは分かろうともしないで、
自分一人で生きてきたと思う心には慢心という悪魔が住み、
やがて生きることに限界を向かえ、やがて疲れて、
人生という路傍に倒れるのです。

さらには自分を省みて反省することは、お掃除に似ていて、
部屋を掃き清めるときれいになるように、心もきれいになるのです。

きれいな心には、きれいな世界が見えます。
きれいな心には、この一年過ごしてきたことのなかに、
きれいな世界を見ることができるのです。

不満な心には、不満のことごとが見え、
欲深い心には、欲深い世界がみえます。

そうならないように自らを正しく振り返りきれいな心にして、
この一年の美しい出来事を省みてみましょう。
きっと、幸せが満ちてきます。