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みにミニ法話

(202)「善と悪」

善は正しいことで、悪は人の道に反することです。
この善と悪をまず、見極める力が必要になります。

仏教の基本は、「悪を止めて、善をなす」ですが、
善とはどういうものであり、悪とはどのようなものであるかを
知っていなくてはなりません。

そのために、善悪を学び、知識として持っていることが大事になります。

そして、善をおこなえば、幸せが結果として現れ、
悪をなせば、苦しみや不幸が結果として現われてくることも知っていることです。

人のものを盗むのは悪であると知っていなくてはなりませんし、
財を多く持っていれば、それを惜しまず分け与えることが善であることも
知っていなくてはなりません。

人のものを盗むのは悪であると言いましたが、
そのことを知っている人と知らない人がいます。

知っている人は驚くかもしれませんが、
盗むことが悪であると知らない人がいるのです。

ある新聞(読売新聞 平成21年8月27日)で、
東京都内における万引き少年を検挙した人数がグラフに載っていました。

その年の平成21年の予測では、
昨年(平成20年)より万引きの件数が多くなる見通しだそうです。
特に中学生の万引きが増えているのです。

検挙された少年の言い分も載っていましたが、
万引きを全く悪であることを知っていないのです。

少年の4人に1人は「ゲーム感覚」でしたとか、あるいは
「物が欲しかっただけ」「捕まったのは運が悪かった」
「悪いとは思わなかった」と話しているようです。

盗んではいけないというのは、最も基本的な人としての生き方です。
盗めば人の道に外れ、それは愚かなことであり、悪いことであって、
必ず後で苦しい思いをするのだ、と知らないわけです。

大人でも善悪を判断できない人もいます。

麻薬は悪であり、欲深なのは悪であり、
怒りは悪で、憎い可愛いと言って心を乱すのも悪です。
悪口をいうのは悪であり、やさしい言葉や感謝の思いは善です。

よく善悪を知り判断して使い、生きていくことが大事なわけです。
日々、何が善で何が悪なのかを学びとり、
日々の生活に生かしていくことが大切です。