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みにミニ法話

(211)「心を洗い流す」

心を洗い流すというテーマの主旨は、
日ごろ心の中にくっついている汚れを洗い流して、
きれいな心にしておくということです。

心にくっつきやすい汚れは、
怒り、不平不満、欲深き思い、相手を悪くいう思い、
妬みや恨み、慢心に名誉欲などあげられます。

そんなときにまず、心に汚れがついていると自覚することが大切です。
心が汚れていても、そのことに気がつかなければ、
心をきれいにしようという思いは出てこないからです。

服の汚(よご)れは目に見えるのですぐ分かりますが、
心の汚れは目で見えないので、気がつくのは難しいのです。
ですから、よく自分を見つめて、心を正していくことが大切になるのです。
そして次に必要なのが、心を洗い流すことなのです。

「涙」という女性の方の詩です。

 

「涙」

「こんな小さいのに 一生懸命生きている と思うと・・・いじらしい」

生まれて間もない 我が子を胸に 娘はそう言って泣いた
清らかな 美しい涙だった そして私も泣いた

(産経新聞 平成21年3月30日)

こんな詩です。

か弱くても一生懸命生きている赤ちゃんを見て、
かわいいと言って涙を流している娘さん。
きっと涙と一緒に心の汚れも洗い流されていることでしょう。

その清らかな涙を見て、お母さんである詩の作者も泣いています。
この方もきっと心の汚れを涙とともに洗い流していたことでしょう。

このような体験をするのは希(まれ)でしょうが、
感動する体験を得て、自分の心を清めたり、
美しいものを見て、心の汚れを洗い流したりすることが、
心を清めて新たに生きていく大切な方法でもあります。

身近にある出来事の中に、感動するものがたくさんあります。
あたりまえと思わずに、まわりにあるもの、あるいは起きてきた出来事を
感謝の思いで受け取っていくと、感動できる出来事が必ず見つかるはずです。

心の汚れを洗い流す方法は教えを基準とすることが王道ですが、
この詩のような体験でも、清らかな心を取り戻す力となります。

是非、心の清らかさを取り戻し、本来の自分に目覚めてみてください。