年中行事を語る
3月 春彼岸
彼岸会は春と秋の2回行われます。
春の彼岸は3月の21日の春分の日をはさんで一週間、秋は9月の23日の秋分の日をはさんで一週間です。
昭和23年ころ「国民の祝日を関する法律」が決められたようで、 そのなかにこの彼岸の春と秋のお休みの意味をうたっているようです。
ちなみに春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
そして秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人をしのぶ日」とされているようです。
もともと春と秋の彼岸のころは、昼の時間と夜の時間が同じになるころで、 それは太陽が真東から昇って、真西に沈むことを意味します。
ですから、真西に沈む太陽を拝むことで、お浄土の世界をかいま見るみることができるのだといわれてきました。
この彼岸は、梵語の「パーラミター」を訳したもので、到彼岸といって、 迷いの世界(此岸―しがん)から悟りの世界へ渡るという意味があります。
この彼岸には意味が二つあります。ひとつはこの世にありながら迷いを脱して悟りの心を得ることです。
もうひとつは、亡くなってお浄土の世界、あるいは光満てる悟りの世界へ行くという意味です。
宗派によって前者を強く教えるところもあれば、後者を大事にするところもあります。 要はどちらも大事であって、この世でしっかり生きた人が、あの世でもしっかりしたところに行けるわけです。
この彼岸には特にご先祖さまにご供養しますが、その尊い心を縁として、 この期間に、正しく生きるための学びのときをつくっていただくことが、 彼岸を過ごす大事な心構えであるのです。