しきたり雑考(83)
予報
今月は「予報」についてお話しします。
{『日本迷信集』今野圓輔著 河出文庫を参考}
最近は天気予報も当たるようになりました。
雨も20%の確立とか60%の確立とか言い表し、
どなたがこのように表現にしたのか分かりませんが、
上手な表現にしたと思います。
平成30年6月の「しきたり雑考」で、占いの話をし、
天気を下駄で予測した話をしました。
私も子どもの頃に、「あーした、天気になーれ」と言っては
下駄(くつ)を蹴り上げて、その下駄が表か裏かを見たことがありました。
下駄の表が出れば晴れで、裏がでれば雨。
たまに横に立った時は、くもりとか雪とか、
雨と晴れが半々とか、占うこともありました。
また下駄を洗うと雨が降るとか、
予報ではありませんが、下駄が表であれば吉、裏であれば凶といって、
うらなう場合もあるようです。
今野さんの本には、次のような予報も、古来から行われていたと書いています。
どこかで聞いたこともあり、初めて聞く、そんな予報もあります。
- 井戸の水が減れば地震がくる。
- ギジの夜泣きは地震のきざし。
- タヌキが泣き騒ぐ時は地震があり。
- ナマズが多く取れる時、または多く跳ねる時、
多く浮き上がる時は地震がある。 - うろこ雲は地震のきざし。(聞いたことがあります)
- カニが家に入り込む時には、洪水がある。
- カエルが仏壇に迷い込めば、その年必ず、大洪水がある。
- ハチが家に巣をつくる時は、大災の恐れがない。
(これもよく言われることです) - 夕方ハトが鳴けば晴れ、朝に鳴けば雨。
- フジの花の長い年は豊作である。(長年の経験からですね)
このように、さまざまな知らせを昔の人は信じて、
災難に遭わないようにと考えたのです。
カマキリの巣が下の方にあれば、雪が少ない。
今でも信じて、判断しています。