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法華経の詩

法華経の詩(5)

序品 第一(5)

弥勒菩薩は文殊菩薩にさらに語っていう

多くの仏たちが
そのすぐれた教えを説く姿も見えた

その説く声は
迷いなく清浄にして柔軟(しゅうなん)で
深妙(じんみょう)にして 深く澄み
数えきれないほどの菩薩たちに
早く聞きたいと楽(ねが)はしめた

仏たちは
正しい教えを説くことにおいて
その真意を分かりやすくするため
教えそのものを説く 法説(ほうせつ)はもちろん
因縁説(いんねんせつ)なる 過去の実例や
譬説(ひせつ)という
さまざまに分かりやすい 譬(たと)えを入れて
人びとが悟りの心を開き
正しい教えによって
仏の心を知る 喜びをえるのを見た

もし苦しみにあって
老いや病 死の苦しみから逃れたいと思えば
涅槃(ねはん)なる 煩悩を吹き消し去り
心の安らぎをえる方法を説いて
諸々の苦から人びとを離れさせ
静寂な境地に誘(いざな)った

もし 前世において善を積み福を修めて
仏を信頼し 供養し
正しい教えを聞きたいと 強く求めて
その志(こころざし)高ければ
人生の出会いや出来事の中から
教えとなる縁を示して 悟りを開かしめ

もし自らが仏子(ぶっし・仏の子)と知り
怠らず修行を積み 仏の無上の知恵を求める者には
清らかな菩薩への道を説かれた