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法華経の詩

法華経の詩(9)

序品 第一(9)

こうして弥勒が 文殊に
なぜ仏(世尊)は光明を放ったのかと尋ねられた
文殊は穏やかに語り始めた

ここに集う多くの人たちよ
今まで 仏が眉間から一条の光を放ち
神通力を使って 不思議な世界を頭上に現わした
決して私たち 弟子には見えない
この世とは全く次元の違った
霊的世界の真実を現わした

これは仏が偉大なる教えを
これからお説きになろうと思っているからだ
偉大なる教えの雨を降らせ
偉大なる教えの法鼓(ほっく)を打ちならし
偉大なる教えのほら貝を吹き
偉大なる教えの意味を説こうとしているのだ

私は遠い前世において
偉大なる仏が このような奇瑞(きずい)を
現わしたことを覚えている
このように光を放って霊的世界の真実を現わし
そして偉大なる教えを説いたのだ

私ははっきりと 思いだすことができる
数えることも 計算することもできない
遠い遠い さらに遠い昔 仏がこの世に現れた
その仏の名を
日月燈明仏(にちげつとうみょうぶつ)という
仏は十号(じゅうごう)としての力をすべて備えていた
十号とはまず 真理の体現者であり
供養を受けるにふさわしい人であり
正しい知恵を持ち その知恵と行いにたけ
迷いを除き 世間の知恵にすぐれ 無上の人格を持つ
一切の悪や摩を降伏(ごうぶく)し 天の師でもあり
悟った人として みなに尊重されたことをいう

かの仏は 世に現れ 奇瑞を現わして教えを説き
多くの者に 悟りの心とすべての知恵を開かせたのだ