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法華経の詩

法華経の詩(10)

序品 第一(10)

文殊は弥勒に語る

数えきれないほどの前世 遠く遠くの昔
仏の十号を備えた
日月燈明仏(にちがつとうみょうぶつ)が現れた
そのあとに また仏が現れた
その仏の名を日月燈明仏という
そのあとに再び 仏が現れた
その仏の名も日月燈明仏という

そうして 二万もの仏が現れたのだ
みなその名を 日月燈明仏という
完全な悟りを得て
いずれの仏もみな教えを説いた

その教えは
初めをすぐれ 中ほどもすぐれ 
終わりもすぐれていた
教えの内容も深遠で清く
常に仏の真理を説きながら
聞く弟子の 心の段階に適した教えを説いた

声聞(しょうもん)として
教えを聞くことで悟るものには
苦を明らかにし その苦の原因を見定め 
苦を滅して 苦の滅し方の道を示した
その道を八正道(はっしょうどう)という

独り静かに悟るものには
縁起(えんぎ)の教えを解き明かした
一切のものは縁にしたがって起こってくる
仏と出会えたのも 小縁(しょうえん)をこえて
何か大いなる仏縁(ぶつえん)ゆえのものであると

そして生老病死の四苦の苦しみから脱して
静かなる悟りの境地をえさせた

菩薩として偉大なる志をもつものには
布施心から始まる実践を重視した六つの教えを説き
一切種智(いっさいしゅち)なる知恵を開かせた