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法華経の詩

法華経の詩(35)

信解品 第四(1)

世尊なる仏から
親しく未だかつてない教えを聞き
また舎利弗(しゃりほつ)が
この上ない完全なさとりである
阿耨多羅三藐三菩提
(あのくたらさんみゃくさんぼだい)に達するという
授記(じゅき)を受けたことに驚嘆し
心からの喜びに浸(ひ)たった弟子たちがいた

空(くう)を悟った十大弟子の一人 
須菩提(しゅぼだい)
論議第一とされる
魔訶伽旃延(まかかせんねん)
貪欲をはらう頭陀(ずだ)第一とされる
魔訶迦葉(まかかしょう)
そして
霊妙なる力を持つ神通第一とされる
魔訶目ノ連(まかもくけんれん
) 彼は目連(もくれん)とも言って
お盆の起源になった人でもある
彼らは座から立ち上がって 仏に近づき
手を合わせ礼拝し 仏を仰ぎ見て
次のように語った

世尊なる仏よ
わたくしどもは年を重ねて老齢となり
この僧たちの集団で年長者として認められています
しかし 老衰のためか
この上ないさとりに達したと思い込み
完全なさとりを得ようとする気力もなく
また努力もしてきませんでした

長い間
仏の説教の場に連なって 教えを聞き学んでも
仏国土の素晴らしい光景や
さとりに達した如来が 奇跡を示すことも
熱望しませんでした

私どもは火宅の三界を逃れ出て
さとりの境地に達したと思っていましたが
そうではなかったようです
今回の法華経の教えを聞き 偉大な宝玉を得ました