法華経の詩
法華経の詩(62)
化城喩品 第七(4)
大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)が 大いなる「さとり」に達した
彼の如来が
未だ出家しなかったとき
十六人の息子がいて
その長子を智積(ちしゃく)といった
その十六人の 息子なる王子たちは
彼の如来が
大いなる「さとり」に達したことを知り
如来のもとに赴き
合掌して 如来を讃えて語った
すべての人間を済度しようと
ひとつの座に坐って
身体を動かすことなく
確固として 揺らぐことなく
心は平静で 混乱することなく
一切の汚れを祓い 最高の「さとり」の達した
あなたに 祝福を送ります
私たちは このような宿縁に出会い幸せです
今 人間は
あらゆる苦悩にさいなまれ
どう生きることが正しいことなのかも 知りません
ゆえに
苦悩を終わらせる方法も知らないし
苦悩を終わらせるための 努力もしません
苦しみはさらに大きくなり
天上の人びとさえ 堕落に身をゆだねています
まことに この世において
仏の教えを長く聞くことができず
すべてが 闇(やみ)の中にあるようです
この世において
あなたは最高の教えを得ました
この世界のすべてを知った 仏よ
あなたの守護を求めます
教えの車輪(法輪)を回して 法を説き給え