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法華経の詩

法華経の詩(68)

化城喩品 第七(10)

迷いから解放された 多くの群れのなかに
かつて大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)
である仏 世尊が
「さとり」を開く前に授かった息子たちである
十六人の王子たちが
一人のこらず 信仰心をおこし出家した

学識があり 賢明で 精神力のある彼らは
この上なく完全な「さとり」である
阿耨多羅三藐三菩提心
(あのくたらさんみゃくさんぼだいしん)
に到達することを欲した

そして かの仏である世尊に語った

世尊よ 仏が説かれた教えにより
多く者たちが
偉大な神通力を得て
傑出した人間になることができました
さらに 仏の智慧が示されることを
懇願いたします
この上ない「さとり」の教えを
お説きください

この願いを聞いて 大通智勝如来は
「正しい教えの白蓮」という妙法蓮華経を
解き明かした

この教えは
「さとり」を求める修行者を戒め
一切の仏が持つべき 広大な教えを
詳しく説いた最高の経典である

そして仏は 十六人の新たな修行者が やがて完全なる「さとり」に達することを 予言した

このように
多くの人びとが この教えを信奉したが
しかし その中に
この教えに疑いを持った者もたくさんいた