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法華経の詩

法華経の詩(95)

提婆達多品 第十二(2)

仏 世尊は
もろもろの求法者に 続けて語った

私は
かつて数えることもできない昔
法華経を求め 退転することがなかった

その法華経を説き示す 聖仙に遭い
聖仙の奴隷として 働くことを承知すれば
その教えを説いてもよいと
かの聖仙が言った

私はその言葉を聞き
歓喜し 踊りあがって喜び
「奴隷がしなくてはならない
仕事をしましょう」
と言った

こうして私は かの聖仙の奴隷となって働いた

菓(このみ)を取り
水を汲み
薪を拾い
食事の用意をし
野菜を作り
果実を育て
そんな召使の仕事をした

さらに
玄関の番をし
夜には寝ている聖仙の足を支えた
しかし それで
身心ともに疲れることがなかった
そんな暮らしが 長く長く続いた

そのとき奴隷となって働いた王は
今あなた方に語っている 私である

そして
その聖仙は 今この世に生を宿した
提婆達多(だいばだった)である
彼は 私の善き友人であるのだ