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法華経の詩

法華経の詩(100)

提婆達多品 第十二(7)

文殊菩薩が
数えきれないほどの多くの者を導き
その導いた教えが
法華経であったと言うと

智積(ちしゃく)菩薩が
この経典を聴いて悟りを得た者は
誰かいるのか その者の名前は何という
と問うた

文殊菩薩は答える
あるのだ 智積よ
娑竭羅竜王(しゃからりゅうおう)の娘だ
生まれて八歳にして 理智あり智慧あり
あらゆる如来の語った教えの意義を理解し
記憶力にすぐれ 大きな誓願を持ち
すべての者に対して 自身と変わらない
慈悲の思いを持ち 清らかである
彼女は完全な「さとり」を得ている

智積菩薩が言う
私は知っています
尊い仏 世尊が「さとり」を得ようと
数々の福徳ある修行をなされ
ひたすらに長い間 努力を積み重ねていたことを
それなのに この娘が
直ちに「さとり」を得たなどと
信じられましょうか

そのとき
沙竭羅竜王の娘が そこに現れ
仏 世尊の前に立っているのが見えた
彼女は仏の両足を頭にいただいて
礼拝して 語った

福徳ある行いと
深遠なる徳を得て
仏は至るところを 光で照らします
私は法華経を学び納めて
「さとり」を達成しました
仏は私にとって 証人です