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法華経の詩

法華経の詩(101)

提婆達多品 第十二(8)

その時 舎利弗(しょりほつ)が
娑竭羅竜王(しゃからりゅうおう)の娘に
質問をした

良家の娘よ
あなたが この上ない「さとり」を得たなど
信じられない

何故ならば
女性は法器(ほうき)ではない
仏の教えを受けるに
堪える人ではない

仏道は 限りない長い間
修行をしながら福徳を積み
その結果として得られるものだ
どうして
女性が 仏となることができようか

その言葉を聞いた
竜王の娘は
南方の無垢世界に行き

七宝作りの 菩提樹の根元に坐り
自ら「さとり」を開いて 仏となり
光明で十方を照らし 教えを説いた

その教えを聴く者たちは
この上ない「さとり」を得ようと
喜び満ちて そこを離れることがなかった

この娑婆世界にいるすべての者は
その無垢世界で
如来となって教えを説く
竜王の娘を見た

智積菩薩と舎利弗
また そこに集う者たちは
その情景を見て 黙然(もくねん)として
女性が「さとり」を得られることを
信受した

(提婆了)