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法華経の詩

法華経の詩(104)

勧持品 第十三(3)

仏 世尊の母が亡くなった後に
仏を親しく育て上げた
叔母であった比丘尼(びくに)である
魔訶波闍波提(まかはじゃはだい)が
仏よりこの上なき「さとり」を得て
如来となることを授記(じゅき)されると

かつて仏の妻であった
耶輸陀羅(やしゅだら)比丘尼が
心の中で思った

仏はまだ私に
大いなる「さとり」を得るとは
告げられていない

その思いを察して仏は告げる
耶輸陀羅(やしゅだら)よ
お前に話しておこう

あなたは この後
多くの仏のもとで修行を重ね
仏を尊び 敬慕し 供養し 讃嘆し
偉大な求法者として
教えを説くものとなろう

やがてその修行が完成され
すぐれた学識と この上ない幸いに達し
祝福された善き国において
具足千万光相如来(ぐそくせんまんこうそうにょらい)
となるでしょう
このことを予言します

そのとき
六千人の尼僧を従えていた叔母であった
波闇波提(はじゃはだい)と
四千人の尼僧を従えた
耶輸陀羅(やしょだら)は
共に「さとり」を得るという予言を聴き
不思議と思うと共に
奇異の念に駆られて
その思いを 詩的に語った