法華経の詩
法華経の詩(109)
安楽行品 第十四(2)
仏 世尊は さらに語り続けた
この「法華経」をはっきり示し説く求法者は
身安楽行(しんあんらくぎょう)なる
行処(ぎょうしょ)に安住すべきである
この行処とは
何ごとにおいても忍耐強く
心は平静で その心を静める方法を悟り
怖れ おののいてはならない
柔和善順(にゅうわぜんじゅん)にして
言葉やさしく
真理に逆らわず
真理を誤ってはならない
嫉妬の思いを捨て
いかなる対象にも
心 惹かれてはならない
疑惑を抱いたり 差別をしてはいけない
この心を行処という
親近処(しんごんしょ)とは何か
それは 求法者の交際範囲をいう
王室や大臣 その従者に
異教徒や苦行者に
そして あらゆる職種の人びとにも
親しく近づいてはいけない
これらの人びとと懇意になっていけない
さらには 娯楽の場所や色街に
近づいてならない
少女や娘 花嫁とも懇意になってはいけない
これらのものが近づいてきたなら
その折々に 歯並みを見せず
心の動きを顔に出さずに 教えを語るのだ
文殊菩薩よ
これが親しく近づいてはならない
求法者の交際範囲といえる