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法華経の詩

法華経の詩(126)

従地涌出品 第十六(3)

仏 世尊の言葉が続く

私は常に
巧妙な手段によって
教えを説いてきた

この世に生まれてきた人びとの
根本的な性質や
修行の努力がどこまで続き
また人によって
どのように異なるかを見分け
さまざまな種類の教えを説いてきた

もし 善根(ぜんこん)が乏しく
多くのわずらわしい悩みを
持っているために
いろいろな考えを持つ人びとに
僧たちよ
私は若くして出家し
間もなく
この上なき完全な「さとり」を得たと
語るのだ

私が 最近
「さとり」に到達したと語るのも
かれらに 教えを
会得させるためであって
そのために多くの教えが説かれたのだ

そして人びとを教え導くための言葉が
自分を例にしたり
自分を喩えたり
他人に喩えたりして語ったのであるが
すべて真実であり
私の語った言葉には
嘘偽りはない

なぜならば
私は実にすべてのものを 如実に見て
見誤ることがないからだ