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法華経の詩

法華経の詩(127)

従地涌出品 第十六(4)

仏 世尊の言葉がさらに続く

私は
久しい以前に「さとり」に到達し
無限の寿命の長さを持ち
常に存在しているのだ

死して入滅することなく
教え導くために
完全な「さとり」を示す

さまざまな仕事に従事し
それぞれの良心による
判断にしたがって
行動する人びとに
善根を生じさせようと
私は私がなさねばならないことを
実行するのだ
しかし
私が入滅という形を取るのは
如来が常にいるという
安易な思いを捨て去るために
方便として 教え諭(あと)しているのだ

私が
実に長い間この世にいて
仏がいつまでもいると安心して
善根を養い育てることなく
福徳を失って貧しい人になり
愛欲におぼれ
邪見という誤った見方をしてしまう

また 仏と会うのは困難でなく
いつも 仏に会うことができると思い
自己を見つめることに
努力しない

その思いを生じさせないように
巧妙な手段をもちいて
仏がこの世に現れるのは
容易なことでなないと語ったのだ