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法華経の詩

法華経の詩(129)

従地涌出品 第十六(6)

仏 世尊は
語った喩えを ていねいに説明した

ここに見識の深い手腕のすぐれた
医者がいる というのは
私 仏のことをいう

その医者には多くの子どもがいた
というのは
この世に生きる
多くの人びとのことをいう
あなた達は 私である仏の子であり
私が命を有らしめたのだ

子どもたちが毒物に
あてられ苦しむというのは
その毒物は 肉体の内にある煩悩で
どん欲 怒り 愚痴という毒によって
苦しむという意味である

そして よく効く薬というのは
私が説いた法 すなわち教えなのだ
その教えを 心の指針として生きれば
毒である煩悩の火を
消すことができるのだ

他国で父が死んだというのは
私が死という 涅槃を示したということ
その別離の悲しみゆえに
残した 私の法という教えを
素直に受け入れ
その教えのもとに修行を積み
苦しみから脱することができたという
意味である

私の入滅は
あなた達を掬う方便であって
本来 
私は久遠の命を生き
あなた達を数えきれない長い間
この上ない「さとり」に誘ってきたのだ