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法華経の詩

法華経の詩(130)

従地涌出品 第十六(7)

仏 世尊である私は
常にこう念じ思っている

「何をもってか衆生をして 無上道に入り
 速に 仏身を成就することを得せしめん」と

すなわち
どのようにしてみんなを「さとり」に導き
すみやかに仏の生き方を成し遂げさせようか と

私はそのために
ほんとうは 滅度せず
すなわち 死んではいないのだが
方便としてそのような姿をみせている

しかし このことを理解できずに
亡くなったことをほんとうと思い
私の遺骨にさまざまな供養をする

煩悩に心をくもらせている者には
私がそこに立っているのに
私の姿は決して見えない

しかし
心素直に 謙虚な思いで 仏を信じ
一心に 仏に会いたい
一心に 仏を見たい
一心に 仏の教えを聞きたい
そう思い
常に努力を惜しまなければ
私はあなたの前に現れて
教えを説くのだ

涅槃のあのとき
私は入滅したのではない
私は繰りかえし 繰りかえし
この人間の世界にいて
無上の教えを説いている
久遠の仏である私を 見たい 会いたい
教えを聞きたい と
渇望せよ

(寿量品了)