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みにミニ法話

(289)「清き日々を尊ぶ」

今年1年を振り返り、清き日々はどれくらいあったでしょう。

「思い出せばよい1日が何度もあった」
「守られ幸せな1日があった」
「あの人に教えられ導かれた、そんな日があった」など、
自分にとって幸せであった日々を清き日々とすればどうでしょう。

冬の川面(かわも)に朝の光が照らして、
水の流れの中に光の輝きがキラキラ光っている、
そんな情景を見ることがあります。

人生も同じで、キラキラ光る日々がたくさんあれば、
その人の人生は他の人が見れば、「いい人生でしたね」といわれると思います。

そんなキラキラ光る日々を、
反省という不思議な力を使って作りだすことができます。

たとえば、1年の終わりに大掃除をします。
汚れたガラスにきれいな布をあててその汚れをふき取ると、
ガラスがぴかぴかになって、外の景色をきれいに映し出します。
汚れた床や畳もきれいな布でふき取れば、すがすがしくなります。

同じように、今まであった事ごとを思い返し、良きことは感謝し、
いけなかったことは反省というきれいな布でふき取り掃除をするのです。

知らずに自分の出た言葉で相手を傷つけたこと、
不満に思っていらいらしたこと、欲深くて与えることをしなかったこと、
優しくなれなかったこと、つい怒ってしまったこと、
なまけて勉強不足になってしまったこと、思いやりにかけてしまったこと、
などなど。

それらを力足りなかった、今度は少しでも徳ある人間に成長しよう、
そう思い心を掃除します。

そして相手を思いやったこと、相手の力になったこと、
幸せを見つけられたこと、幸せに包まれ感謝できたこと、
そんなプラスのことを思い返し、感謝をささげる。

さらには家族の人や、見えない神仏に守られ生かされてきたことを深く思い、
手を合わせては、ありがとうの言葉をささげる。そんな生き方が、
今まで生きてきたことごとに光をあて、冬の川面に光がさして、
キラキラ水の流れが輝くように、今年1年の日々が、きっと輝きだすでしょう。

今年1年お読みくださって、ほんとうにありがとうございました。